トラベル外来(国内旅行・海外渡航・登山前検診など)
日本旅行医学会認定医です。国内外旅行にまつわる健診・海外赴任・海外出張に関する相談、持参薬・予防薬処方、予防接種、診断書作成に関して、お気軽にお問い合わせください。
英文診断書について
当院では、海外渡航、海外旅行、留学時に必要な証明書を英文で作成致します。
「海外旅行には英文診断書が必要です」と言うと、多くの方が驚かれます。海外では、診断書がないために必要な治療を受けられないケースがあります。例えば海外において、交通事故に巻き込まれたり、急病で救急病院に運ばれたとします。その際に、薬のアレルギーや過去にした病気などがわからなければ、治療を拒否されることが実際にあります。未成年の留学生の場合は、軽症であっても親の承諾書がないとまず診察を拒否されます。「特別な理由がない限り診察を断ってはいけない」という「医師の応召義務」があるのは日本だけです。英文診断書は海外で医師の診療を受ける際に必要となります。
- 当院では自己記入式安全カルテ(成人・学生・小児用)を用いて、診断書作成を行います。
- 英文診断書作成費用 6,000円~
※採血・レントゲン等の検査をご希望の方はお申し出ください
マラリア予防内服について
マラリア予防薬には以下のとおり①メフロキン、②マラロン、③ビブラマイシンの3種があります。
- ①メフロキン
- 副作用が多いこととアジアでは無効なことが多いことから現在当院で処方することはほとんどありません。
- ②マラロン
- 2012年12月に処方可能となった新しい薬です。帰国後の内服が1週間ですむことから使いやすいのですが、欠点は価格が高い(1錠800円)ということです。マラリアの可能性のある地域への渡航2日前から内服を開始し、その地域を離れてから1週間が過ぎるまで継続します。
- 副反応が極めて少なく、うつ状態などの精神神経疾患や不整脈がある方でも安全に使えるというメリットから、世界で広く使用されています。毎日服用する事から、長期に渡る場合はコストが大きくなりますが、短期滞在の場合(2ヶ月未満)は、マラロンの服用をお薦めしております。
タイ、カンボジア、ミャンマーなど一部の熱帯アジア地域では、メファキン耐性マラリアが存在するため、マラロンの服用が必要となります。 - ※費用
1錠:800円(税込) 処方料:540円
◎ 1週間滞在の場合の費用例
渡航前 2日間:2錠
滞在中 7日間:7錠
帰国後 7日間:7錠
(2+7+7) × 800 =12,800円+処方料540円の、計13,340円
- ③ビブラマイシン
- 1錠100円と価格が安いのが利点です。マラリアの可能性のある地域への渡航数日前から内服を開始し、その地域を離れてから4週間がたつまで1日1錠を継続します。(ビブラマイシンはマラリア予防薬としては日本では承認されていません)
蚊対策
マラリアの予防内服をしていても、デング熱やチクングニアなどを予防するために、蚊の対策をしなければなりません。DEETと呼ばれる虫除けスプレーやクリームの用意や蚊取り線香の準備が必要です。シトロネラと呼ばれる一種のアロマも有効とされていますが、大量に用いないと効果が期待できないとも言われています。
消化器感染対策
海外では、現地の料理を食べて下痢をする人は少なくありません。初めての地域に渡航する場合は整腸剤(乳酸菌製剤など)を期間中飲まれることをお薦めします。
飲食物については特に、水や氷、カットフルーツなどに注意してください。日本のように水道水をそのまま飲める国は稀です。またジュースを注文した際に、グラスに入れられる氷にも注意が必要でしょう。
帰国後のご注意点
例として、マラリアは潜伏期間が1ヶ月になることもあります。また、B型肝炎は感染して数ヶ月が経過してから倦怠感が出現することもあります。
海外から帰国して2~3ヶ月以内に、発熱、腹痛、倦怠感、頭痛、関節痛、皮疹などが生じたときは当院までご相談ください。
高山病の予防
ダイヤモックス(アセタゾラミドナトリウム)
平地より、短時間で3000m以上の高所に行かれる場合、高山病の予防をすることを目的として服用します。
- ・1日前に1/2錠(=125mg)を朝と夕に服用
- ・3000m以上の高地にいる間の第1日目、第2日目、第3日目まで服用
最長4日間服用します。
4日目以降は服用する必要はありません。また、3日以内に下山した場合でも、3000m以上にいる間だけ服用します。
処方はダイヤモックスを6錠お渡しいたしますので、半分に割って服用ください。
事前に電話にて在庫を確認していただいたうえで、御都合のよい来院日をお知らせください。
- ダイヤモックスの「山酔い」予防の主作用は次の2点になります。
- ① 脳血管を拡張し、血流を増加させ脳の酸素不足を改善する。
② 呼吸中枢神経刺激剤として働き、全身の低酸素状態を改善します。
予防薬を服用していたのにもかかわらず頭痛や吐き気、めまい、脱力感など「山酔い」の症状が出現した場合は、1錠(=250mg)を朝と夕に治療薬として服用します。これに加えて酸素吸入や頭痛薬の服用も行われます。
ダイヤモックスの副作用としては、ショック、再生不良性貧血、溶血性貧血、皮膚粘膜眼症候群、急性腎不全、精神錯乱などが可能性としては報告されておりますが、いずれも稀です。
初めての方の電話による相談は受け付けておりません。ご予約のうえご来院ください。